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【書評】全ての働く人にオススメしたい本!【転職の思考法】

今回は当ブログの記念すべき1本目の記事ということで、僕の人生にかなり大きな影響を与えた北野唯我さんの転職の思考法』という本を紹介したいと思います。

 

会社勤めをしている人なら誰でも1度は「ここは自分の居場所じゃない」「仕事にやりがいを見い出せない」と思ったことがあるのではないでしょうか?
僕もその1人で、入社式の日から転職サイトを見ていたくらいです笑。その後11年間その会社で働きましたが、「何か違うな〜」という思いをずっと抱えていました。本書は、そんな漠然とした思いを解消してくれる本になっています。
また、働く意味を再確認させてくれる本でもあるので、現状に不満を持っている人だけでなく、全ての働く人にオススメできる内容となっています!
『転職の思考法』というセンセーショナルなタイトルから、一見「うっ」となってしまいそうですが、ぜひ今回の記事を通して興味を持っていただけると嬉しいです。

 

『転職の思考法』はどんな本?

転職に必要なのは「情報」でも「スキル」でもなく、確かな「判断軸」である。

本書の帯にはこのような1節が書かれています。
日本は長らく低成長の時代が続き、終身雇用制度が崩壊しつつあります。定年まで全ての社員の面倒を見る余裕が、企業にもなくなってきています。

にもかかわらず、多くの企業はスキルアップの機会を社員に十分に提供せず、その結果転職市場で勝負できない人々を大量に生んでしまっているのです。

そんな時代にあって、私たちに必要なのは「いつでも転職できる」と確信できるだけの市場価値を身につけることです。そうなることで初めて、あなたは単なる労働力ではなく、会社と対等な立場で取引できるようになるのです。そのために必要なのは、うわべの「転職情報」ではなく、情報を見極める「思考の軸」です。

本書は、そんな「思考の軸」について、ある30代の印刷機器メーカーの会社員を主人公としたストーリー調で、読みやすく紹介してくれています。

特にこんな人にオススメ!

全ての働く人にオススメできる本ではありますが、以下の人には特にオススメです!

  • 今現在、自分の仕事に満足できずモヤモヤしている人
  • 就職活動を控えている学生

心に響いたポイント

ここからは個人的に心に響いたポイントを紹介していきます。

①自分の市場価値は〇〇〇で決まる!

まずは自分の市場価値についてです。皆さんは自分が市場でどれだけの価値があるのか、普段から意識して仕事をしているでしょうか?「いつでも転職できる」状態になるためには、普段から市場価値を意識し、高めるような働き方をすることが重要です。

本書では、市場価値を以下のように定義しています。

マーケットバリューは①技術資産、②人的資産、③業界の生産性の三つで決まる

それぞれ具体的に説明していきます。

まず、①技術資産とは、どんな会社でも必要とされる、価値のある技術を指します。例えば、会計のスキルやエンジニアのスキルなどです。営業や経理などの職種に近いものや、事業部長、プロジェクトマネージャーの経験といった、職種に紐つかない技術も含まれます。

次に、②人的資産とは、端的に言えば人脈です。ただし、その会社の中だけで通用するようなものではなく、例えば自分が会社を辞めたとしても、仕事をくれるような人脈。それを人的資産と言います。

最後に、③業界の生産性ですが、市場価値はこの業界の生産性に最も大きな影響を受けます。例えば①技術資産や②人的資産が全く無くても、安定して高い給料をもらっている人達が身近にいませんか?例えば金融業界や商社、コンサルなどで働いている人たちです。こういった業界で働いている人たちは、いわば「場所選びで勝った人達」と言えます。

僕は今まで会社に勤めていて、自分の市場価値なんて考えたこともありませんでした。本書を読んで、自分の市場価値を改めて考えてみると、技術資産・人的資産はほとんど無く、業界も縮小しており、市場価値がほとんど無いことに衝撃を受けました。

「このまま定年まで会社にしがみつくしかない人生なのか?それでいいのか?」

そんなな想いを抱くようになりました。

②パートナーへの相談は「共感」が重要!

本書では、実際に転職を決める段階での、人生のパートナーへの相談の仕方もフォローしてくれています。実際、結婚して家族がいると、転職は自分1人の問題ではありません。特に男性と女性では考え方が違うことも多いです。パートナーへの相談は軽視されがちですが、今後の協力を得る意味でも非常に重要な要素です。
本書ではパートナーが転職に反対を示したときに必要なこととして、以下の3つを挙げています。

  1. ロジックを固めること
  2. 共感してもらうこと
  3. 最後は信じてもらうこと

そして、次のような言葉が書かれています。

誰よりも会社のリアリティを知っていて、仕事にコミットしている人物、それは転職する本人だ。なぜ、転職が必要で、なぜ、今の会社ではダメなのか。本人がいちばん知っている。いちばん不安なのも、本人だ。それでもなお、決断するだけの理由があったから転職するのだろう?(中略)つまり『誰よりも実態を知っていて、誰よりもコミットしている人間は誰か』が重要なんだよ

意思決定とは、いちばん情報を持っていて、いちばんコミットしている人間がやるべきなんだ。本人にしかわからない部分がある。だったら最後は信じるしかない。

僕も会社を辞めるとき、既に結婚しており、生活を共にする妻がいました。
私が特に説得の際に感じたのは、「自分が不安な素振りを見せたら絶対にダメだ」ということです。
自分が不安なのはもちろんですが、何もわからない相手はもっと不安なはずです。そんな中で、「大丈夫か不安だけど、転職したい」なんて言ってしまったら、絶対に相手は納得してくれないでしょう。
自分の不安は押し殺して、相手の信頼を得る。これはなかなか辛い作業でした。
ですが著者が言うように、最後は「俺を信じてついてきてくれ」しかないと思うのです。

パートナーへの説得に頭を悩ませている方にも、ぜひ本書を手に取ってもらえたらと思います。

③「やりたいこと」なんて必要ない

さて、本書で僕が最も心に響いたのがこの部分です。著者は、どうしても譲れないほど『好きなこと』などほとんどの人間にはないし、必要ないと述べています。そして、人間には以下の2パターンがいると言います。

・to do(コト)に重きをおく人間…何をするのか、で物事を考える。明確な夢や目標を持っている。

・being(状態)に重きをおく人間…どんな人でありたいか、どんな状態でありたいかを重視する

そして、99%の人間はbeing型であり、世の中に溢れている成功哲学は1%しかいないto do型の人間が書いたものなので、参考にしても彷徨うだけと述べています。

これを読んで僕は、すごく気持ちが楽になった気がしました。皆さんはいかがでしょうか?
僕は就職活動の時、特に好きなことややりたいことが無いのがコンプレックスでもありました。でも著者はそれでいい、それが普通だと言ってくれているのです。

そして、being型が『好きなこと』を見つける方法も紹介した上で、以下のような言葉を述べています。

これからの時代にどんなやつが強いかわかるか?それは個人として『ラベル』を持っているやつだ。『ラベル』とは、自分だけのキャッチコピーのようなものだ。組織が、個人を守ってくれる時代は終わった。いつ会社から放り出されるかわからない。そのときにひとつでもいいから個人としての『ラベル』を持っていないと、君は完全なコモディティになる

大事なのは、仮でもいいからそのラベルを自分でつけること。(中略)そうしたらそのラベルがより強固になるように仕事を選んでいけ

この文を読んで、これからの時代個人として認められること、発信できることがいかに重要なのかということを学びました。
僕がブログを始めたのも、この一文がきっかけだったりします。

まとめ

私はこの本を読んで今後の自分のキャリアについて考えさせられ、転職ではないですが、独立という形で、勤めていた会社を辞めるという決断をしました。
年収も大きく落ち、働く時間も長くなりましたが、スキルを伸ばせる仕事ができて精神的には充実していますし、将来的には会社にいる時以上の稼ぎを得るという目標がモチベーションになっています。

今回は紹介しきれませんでしたが、本書には、この他にも心に響く言葉がたくさんあります。コロナ禍で自分の時間が増えている昨今ですが、この本を通じて改めて自分のキャリアを見つめなおすきっかけにしてみてはいかがでしょうか?

なお、現在は漫画版も出ているみたいです!